気づけば傷つくから見ないフリ

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「気づき」は、成功をもたらす・・・の嘘と本当

ここ数年、書店に行くと「~の成功法則」という題名の本が異様なまでに増えているとお感じになりませんか?
誰しも「今よりもお金持ちになりたい」とか、「もっと幸せに暮らしたい」という願望をもっていますね。
その願望にうま~く入り込んでくるような題材なのだ、ということなのでしょうね。
さて、そのような本を読んでみると「気づき」が大切だ!と書かれています。
「気づき」とは、何でしょうか?
誰もが見過ごすようなサービスや商品に対して目を向けていると、これが今の世の中には欠けているんじゃないか?だったら、これは売れるぞ!というような「気づき」があれば成功の早道なのだ、という論理のようです。

そう、誰もが気づきは大切なものだ!と解釈しています。
しかし、私も含めてですが「気づき」は、そう簡単に訪れてくるものではありません。
なぜなら、日常生活を送る上で「合わない」からです。

大抵のカップルが結婚して数年も経ってから、ある日突然「私は、以前のように自分のパートナーを愛していない!」と気づいたら、すぐにでも離婚の準備を始めてしまうでしょう。
結婚して数年も過ぎたカップルは、他人から見れば仲良しであっても、あるいは、当の本人たちですら仲良しに見えても「実は、何とかやっている」と言うレベルで毎日の生活を送っていることの方が多いのです。

私たちは、うま~~~く自分の本音には気がつかないように薄いオブラートで自分を包み隠しながら生きているのです。
それは、自己防衛本能の一部なのでしょう。

思考のレベル(つまり、自分がこうだと思うレベル)で思っていることと、本音のレベルで思っていることが全く違っていても人間と言うのは「生きて」いける能力をもっているのです。

逆説的ですが、気づかないようにすることで、自分たちの関係性が崩れないように自然に成り立っていると言ってもいいのかもしれませんね。
どうして、私たちは、本音のレベルのことに目を向けようとしないのでしょうか?
それは、「気づき」には、恐怖が伴うからなのです。

よく考えてみてくださいね。
もしも、あなたが「実は、もうパートナーに対して関心を失っている」ということを気づくことは恐怖でしょう?

もう、晩御飯だって作りたくはないし、口をきくのも嫌でしょう。そして、肌と肌を触れ合わせるなんて考えられもしないはずですよね。

しかし、「気づき」があるにも関わらず、「気がつかないフリ」をしていれば良いのか?というと実はそうではありません。
気がつかないフリをしていると、必ず体や心に変調に見舞われます。
例えば、ご飯がおいしく食べられない、話すのも億劫だ、お菓子を食べるのを自制できない、気力が沸かない、胸にぽっかりと穴が空いた気がする、子供に当たり散らかす・・・というように体や心に変調をきたします。

本当に大切なことは、気づかないようにすることではなく、「気づき」を得て、その気持ちを面倒見るという事なのです。

人は、無意識のレベルで人を傷つけます。
それは、愛している人を愛さないように仕向けるというような形で現れてきます。
あるいは、わざと傷つくような事を話してしまうという事もあるでしょう。
実は、夫婦という感情の渦の中での生活は、サディズムの温床なのです。
自分の中にも、ダークサイドがあるということを自覚し、ダークサイドに落ちないように気をつけて生きるという事が求められる時期が夫婦には必ずやってきます。

誰だって自分は「そう、悪い人間じゃない」と思いたいものです。
まして、自分にダークサイドがあるとは認めたくないものです。
現実を引き受けるという「勇気」を持ち、しんどさを乗り越える努力をすれば、あなたは今までとは全く違った新しい生き方を手に入れることになります。

「実は、自分は既にパートナーへの関心を失っている」と気づけば、その瞬間にあなたには「二者択一のジレンマ」に悩まされることになります。
「このまま関心を失った状態で生活を送るか」「もう、二人の関係を清算するか」
そのどちらも選びたくない、と思うでしょう?

そうすると、別の「二者択一のジレンマ」がやってきます。
「このまま関心を失ったまま生きるか」「新たに関心を持つ(何か)を探して新しい生き方を手に入れるか」

こうやって二者択一のジレンマを乗り越えることは、今あなたがこの文章を読んでいる数千倍も辛い出来事です。
誰だって、「窮地」には立ちたくないですからね。

しかし、「窮地」というのは実は悪いものではありません。
あなたの人生を切り開く「新しい扉の鍵」であることの方が多いのです。

大いに苦しみ、悩めば「創造的チャレンジ」を行うことになり、乗り越えた瞬間に「自信」という人生最大の武器を手にする結果になるからです。
ゲーム機に興味の無い方には恐縮ですが、ロールプレイイングゲームの主人公と同じです。
戦いを経て、初めて武器を得ることができ、あらたなステージに進めるのです。

成功者は「気づき」のエネルギーが高いと言われています。
それは、気づきを得て、それを乗り越えるという「創造的チャレンジ」をしているからです。
気づきが成功をもたらすわけではありません。
成功をもたらすのは、気づきを乗り越えるという行為からなのです。

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